インスリン皮下注射を行う前に食事をしてしまっていた|看護師インシデントアンケート

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看護師辞めたい

年齢・性別

30歳・女性

現在の居住都道府県

東京都

看護師として働いた(働いている)年数

7年

インシデント発生時、どなたかに相談しましたか?

当日のリーダー、病棟師長、当日の指導ナース

インシデント発生時の状況

看護師辞めたい

背景<看護師1年目20代新人看護師時代 配属部署:消化器外科とがんターミナル混合病棟>

当時配属されていた部署は、手術に向かう患者様の送り出しと手術後の帰室の対応が中心でしたが、がんの終末期の方も居たりと急変しやすく緊張感があり、日々業務が多く忙しい所でした。加えて、ナースコールは新人が担当する部署でしたので、自分の業務以外の事もこなさなければならず、日々慌ただしい中で働いていました。インシデントが発生した当時の私は、業務になれないながらも、多重課題といって様々な状況の中から優先順位を自らつけながら日々の仕事を組み立ててこなしていくという段階に入っていました。そして時期的に異動や産休が重なり、勤務のスタッフ数は最低限でした。ベテラン看護師はリーダー1人のみで他のスタッフは、ほぼ看護師2-3年目で毎日の勤務が組まれていたので、日々分からないことを先輩に聞いても「私たちも新人だから分からない」と返答される事も多く、悩みながら業務をしていたのを覚えています。そんな状況下で、私が看護師となって初めて起こしてしまったインシデントでした。

<インシデント対象者情報>

70代男性、2型糖尿病。意識ははっきりしており、糖尿病への理解もあります。長年血糖測定やインスリン注射を行っています。認知症はないも、歳相応の物忘れ等はあります。

<インシデント内容>

2型糖尿病患者が食直前インスリン皮下注射を打つ前に患者が我慢できずに食事をしてしまいました。

<事故発生状況>

複数の患者を受け持ちをしていた中で、2型糖尿病で毎食直前にインスリン皮下注射がある患者様が居ました。ちょうどお昼時となり、血糖測定等をして準備していたのですが、そのタイミングで私の別の受け持ちの手術後の患者様の迎えに呼ばれてしまいました。手術の帰室は最優先で、受け持ちが行かなくてはいけません。一人では帰りにベッド毎搬送しなければならず、不可能なので病棟で同じチームの先輩に声をかけました。インスリンは食べる直前に打つ指示だったのですが、昼食まではまだ時間があり、すぐ注射するには早い時間だったので、周りの人を探しましたが休憩と重なり誰も居ない状況でした。リーダーに報告しようにも見つからず、手術室に迎えに一緒に行ってくれる事になった先輩に相談。リーダーは業務を見ながら動いているし、先に手術室に迎えに行きましょうといわれ、手術室に迎えに行くことになりました。時間的には手術室から戻ってきても、インスリン注射に間に合う時間だったので先に手術室に行くことになりました。手術室より戻り、配膳車が普段来るよりも前の時間に到着しており、急いで患者様の所へ行くと、すでに食事が運ばれていて食事を数口食べてしまっているのを発見しました。病棟の決まりでインスリン注射未の札を配膳時に配り、終わってから札を回収して食べていただく事になっていました。インスリンが終わっていない札はあるが、配膳され御膳は患者様の目の前にあった状況の為、ご本人様も普段は食べずに待って居るが今日はお腹が空いていたので配られてすぐに食べてしまったと話されていました。

インシデントの主な原因

<対象の要因>

病棟のルールとしてインスリン皮下注射の札はあるも、札とともに配膳されているので、目の前に昼食が配膳されていて空腹だった事もあり、インスリンが必要な事は分かっていても我慢が出来ませんでした。

<職員要因>

新人看護師で業務に不慣れな分、普段よりも業務に時間がかかる事かもしれない事やその他トラブルが起きた時の事も考え、余裕を持った時間配分での行動が出来ていませんでした。

<環境要因>

病棟が繁忙で人員も居ない中、依頼をしたり相談したり出来るスタッフが限られていました。

インシデントへの対処方法

〇病棟のルールとしてインスリン皮下注射の札はあるも、札とともに配膳されているので、病状理解が難しい方や食事を待てない方の場合は、今回のようなインシデントが再び起きる可能性があります。→まず注射未実施の札だけを配り、札を回収した際に配膳するようにすればどのスタッフが見ても血糖測定やインスリンが終了していない状況が分かる為、可視化出来るようにルールを改善します。

○業務が重なっている際は誰かに声をかけて、もし自分が他の業務に時間がかかってしまって予定通りに業務が遂行出来なくても支障がないように、余裕を持って行動します。

〇限られた人員での配置の場合、休憩前に残りのスタッフ同士で業務を分担出来るように声を掛け合う時間を作ります。

インシデント後の経過

インシデント発生直後、チームリーダーと師長に報告。バイタルサインの測定や状態の観察等を行い、受け持ち患者様の状態に異変がない事を確認します。その旨を担当医に報告します。医師より、数口摂食してしまったが、すぐにインスリン注射施行し、食事継続の指示を頂きます。インシデント後、病棟師長とチームリーダー、インシデント発生前に相談した病棟の先輩ナースとともにインシデントの発生の振り返りを実施します。

インシデントを無くすためには

インシデントは新人看護師だけでなく、業務に慣れているベテラン看護師でも起きます。インシデントをなくす為には、現在起こっているインシデントがなぜ起きてしまったのか、どの様にしたら防げるのか等の振り返りをスタッフ全員で確認し、都度ルールを見直したり各々の行動や働く環境を改善する事が重要だと思います。また、個人がインシデントを他人意識ではなく、自分毎で考えて自分が行う看護ケアに対して「~かもしれない」と常に予測して危険を回避するような行動をとる事もインシデントをなくす、もしくは減らすのに大事な視点だと私は考えています。

インシデントで悩んでいる看護師さんたちへのアドバイス

看護師

インシデントは様々な状況や要因が重なって発生します。その為、気を付けていてもインシデントは起こってしまう事もあります。インシデントがない事は良い事かもしれませんが、起こしてしまった場合、起こしてしまったという「結果」だけを見るのではなく、なぜ起きたのかという原因を把握し、今後同じような状況を防ぐ為にはどうしたら良いのかの対策を考える事の方が重要だと思います。そして誰かを責める為のインシデントの振り返りではなく、同じようなミスをしない為の振り返りであるというインシデントレポートの本来の意味を看護職がきちんと理解して、「犯人捜しではなく」より良い環境やルール作りに励んでください。自分を責めずにもう起こさないための対策に意識を向けて下さい。同じ医療職として頑張っていきましょう。

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