手術中、ヘガール持針器の先端部分が欠け、体内異存してしまった|看護師インシデントアンケート

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看護師インシデント

年齢・性別

28歳・女性

現在の居住都道府県

埼玉県

看護師として働いた(働いている)年数

4年

インシデント発生時、どなたかに相談しましたか?

執刀医、外回り看護師

インシデント発生時の状況

看護師インシデント

当時、私は手術室で勤務しており、外科の開腹手術中に起こった器械・針カウントに関するインシデントです。私がいた病院では、傷の大きな開腹手術では、閉創を行う前と完全に閉じきる前の2回の器械・針カウントを行っていました。私は器械出し看護師を担当し、手術の重要部分は終え、2度目の閉創時のカウントを行っていたタイミングでのインシデントでした。2度目のカウントは医師が閉創するのと同時進行で行っており、閉創している医師の方からパチンと何かが弾けるような音がしてから、ヘガール持針器が戻ってきたので、一度持針器の先端部分を確認すると一部の金属が欠けていることに気がつきました。持針器の先端は欠けやすいため、注意が必要なことは理解しており、手術前にも欠けがないことを確認していましたので、手術中に破損したことが考えられました。欠けの確認後、すぐに執刀医と外回り看護師へ報告し、一時閉創を中断し、欠けた数ミリの破片を探しましたが、肉眼では見つかりませんでした。体内異存の可能性が濃厚であり、手術室部長と手術室師長へ報告後、レントゲン撮影を行い、持針器の欠けた一部分と思われる金属片が体内あることが映し出されました。

インシデントの主な原因

持針器そのものの劣化や無理な力が加えられたことによる破損です。

インシデントへの対処方法

腹腔内を生理食塩水で洗浄し、水を吸引した後、レントゲン撮影を行い、金属片を確認し、回収しました。回収した金属片と持針器が合致していることが確認できたため、再度カウントを行い、手術は終了となりました。

インシデント後の経過

欠けた持針器の金属片が確認された後、最終カウントを行い、閉創を行いました。手術終了後は特に異常なく麻酔から目覚めて退室されていきました。手術室勤務のため、術後の経過までは追っていませんが、無事に退院されたと伺いました。

インシデントを無くすためには

病棟でのインシデントの内容に比べると手術室のインシデントは、いかに医師と円滑なコミュニケーションを取れるかにかかっていると思います。今回紹介した手術中の器械破損に関してはいくら看護師サイドが気をつけようが実際に使用するのは医師であり、そこでの破損に関しては防ぎようがないのかなと思います。医師が器械を乱暴に扱っている場合には注意が必要でしょうが、ほとんどの場合はそうでないと思います。手術器械の状態を常に観察しながら、医師が手術に集中できるようにサポートし、異常があれば相談・交渉していけるコミュニケーション力があると良いのではないかと思います。

インシデントで悩んでいる看護師さんたちへのアドバイス

看護師

手術室でのインシデントは、もちろん自分で防げるものもありますが、そうでないものも多いです。そのため、いち早く異変に気づける力、そして手術場にいる全スタッフ間との円滑なコミュニケーション力が必要だと思います。中には横柄な医師や先輩がいたりもしますが、簡単でも難しくても、どんな手術においても、患者さんの人生において手術は大きなイベントですので、自分が委縮してしまって、その患者さんに不利益とならないために自信を持って手を挙げていく姿勢が大事なのではないかなと思います。しかし、私が手術室で自分の意見を言えるようになったのは3年目あたりからでした。新人はもちろんですが、他部署からの異動者も一から覚えなければいけないこともかなり多く、分からないことが分からない状態が長く続くと思います。そのような中ですぐには自己主張をすることは難しい印象もありますので、プリセプター制度があれば、プリセプターの先輩、親切な先輩等を探し、相談していけるといいのかなと思います。

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