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年齢・性別
女性・33歳
現在の居住都道府県
千葉県
看護師として働いた(働いている)年数
12年
インシデント発生時、どなたかに相談しましたか?
担当医に報告しました。
インシデント発生時の状況
私はその日、透析室勤務でリーダー役割をしていました。透析室での勤務は外来業務扱いで、入院患者の維持透析のため週3回稼働していました。透析室に勤務していたのは、研修を終えて透析業務ができる病棟看護師で、日替わりで担当していました。今回インシデントが発生した患者は、整形外科病棟に手術目的で入院していた60代の維持透析患者で、週3回4時間透析を実施していました。術後から下肢に装具を装着しており、透析前の体重測定時には全体重からあらかじめ測定しておいた装具の重さを引いて、除水量を設定していました。当日の除水量は、その日のベッドを担当していた受け持ち看護師と私でダブルチェックしていました。また、ダブルチェックしたあと透析開始直前に医師に最終チェックをしてもらい開始していました。わたしはリーダー看護師として、透析開始後のベッドを回って、除水量や透析時間などをトリプルチェックしていました。透析針穿刺部の観察と固定確認のため、患者に了承を得て布団をめくったところ、「装具が軽くなったんだよ。」と声をかけられました。下肢の装具を確認すると、前回の透析まで使用していた装具とは別のものに変更されていました。ただちにその日のベッド担当看護師と装具の重さを測り、前回まで使用していた装具より軽かったため、透析前体重から再計算し、医師に報告しました。その後、除水量変更となり透析継続となりました。
インシデントの主な原因
透析室勤務は外来扱いであったため、病棟看護師が日替わりで担当していました。透析室勤務の看護師は日替わりで勤務しており、毎回同じ患者を担当するわけではないため、患者受け入れ時に装具が新しくなったことに気付くことができませんでした。装具装着開始日のカルテには、実際に使用している装具の写真を撮りカルテに掲載されていましたが、その日の受け持ち看護師は初回透析記録まで遡って確認はできていませんでした。また、申し送りをした病棟看護師も装具の変更を伝えていなかったことも一因となりました。病棟看護師も日替わりであり、透析時に装具の重さが除水量に関わるという認識がなかったようでした。
インシデントへの対処方法
装具が変更になる前のカルテに写真付きで記載はしてあったが、遡って透析時の記録を全て確実に見返すことは難しいため、現在使用している装具の写真をカラーコピーして毎回透析指示書に貼り付けておくことにしました。その日の受け持ちは、透析前体重を測る際には、装具の写真と実際の患者の装着状況を必ず確認することで対応を統一しました。また、除水量のダブルチェックの欄に装具変更がないか注意して確認するよう文言を付け足しました。透析室だけではなく該当病棟ともインシデント事例を共有することで注意喚起できるようにしました。
インシデント後の経過
前回の透析から日数が空いていなかったため、もともとの体重増加が少なかったことと、装具の重量も大幅に変更とはなっていなかったため、除水量の値も大きくは変わりませんでした。そのため、透析時間の変更はなく予定通り透析は継続されました。除水速度は当初より緩やかな設定になり、患者の負担にはならない程度で済んだため、透析中に身体症状などの発現はありませんでした。患者に説明・謝罪し、了承を得て透析を継続し、問題なく終了することができました。
インシデントを無くすためには
他部署から患者を受け入れて、外来で治療を行う場合、情報が漏れることが多くあります。病棟看護師が透析に必要な情報を把握していることも少ないので、情報共有ができずインシデントにつながることがあると意識しなければいけません。受け身で相手から申し送りをもらうだけでなく、透析に必要な情報は自分で必ず確認するという姿勢で業務にあたっていました。また、「他人が確認したのだから大丈夫」と思うのではなく、最終的には必ず自分で確認することを心がけていました。逆に、自分で確認したことが落ちていることもあるので、必ず誰かに確認してもらっています。日頃から、些細な違和感や気になることはどんなに忙しくても立ち止まり、確認するようにしていました。大体インシデントが起こったあとは「あのとき確認しておけばよかったのに」と思うことが多かったです。
インシデントで悩んでいる看護師さんたちへのアドバイス
勤務しているとイレギュラーなことは必ず起こります。どんなに気をつけていても予測できないインシデントが起こることは仕方のないことだと思います。インシデントが起きないように常日頃行動していたとしても、起きてしまったことは仕方がないので、そこから切り替えることが大切です。どうしてインシデントが起きたのか原因を確認して、どうすれば良かったのか、次に同じことが起こらないようにするにはどうしたら良いのか振り返り、対策をきちんと取ることに気持ちをシフトしていく必要があります。インシデントを起こすと本当に不甲斐なく落ち込みますが、誰もが必ず通る道なので、大切なのはその後の対応ではないかと思います。
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