看護師のボーナスは平均いくら?手取り額や1年目の初任給とボーナスも解説

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年収に大きく影響するボーナスは、看護師にとっても重要で気になる要素です。

 

「看護師のボーナスの平均額は実際どのくらいなの?」

「経験を積んだり、年齢が上がったりするにつれて、ボーナスはどのように変化していくの?」 「職場の規模や地域によって、ボーナスの額に違いはあるの?」

 

看護師のボーナス額や支給状況についてさまざまな疑問が浮かびませんか?

 

この記事では、看護師のボーナスや初任給との関係、年齢・経験による違い、ボーナスが高い職場の特徴についてわかりやすく解説します。これから転職を検討中の方、現役の看護師の方々に役立つ情報としてお届けします。

 

看護師のボーナスの平均支給額はいくら?


看護師のボーナスは通常、年2回、夏のボーナスと冬のボーナスが支給されます。

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、看護師の年間ボーナス平均額は 、83.2万円。

この金額は、正看護師、准看護師、その他の看護師資格を持つ方全体の平均値です。

令和3年との比較では、各資格の平均ボーナス額は増加しており、その理由には、人手不足による看護師の需要増加や、医療従事者への処遇改善などが影響しています。

(出展元:令和4年賃金構造基本統計調査

 

看護師のボーナス支給額は以下の要因などの影響を受け変動します。

  • 規模  :大規模病院や都市部の病院・施設は、中小規模施設や地方に比べて高額な傾向。
  • 勤務環境:夜勤が多い、または高度な医療技術が求められる診療科では増額することが多い。
  • 経営状況:黒字経営の場合、処遇改善として高いボーナスを支給しやすい。

これらの傾向を踏まえ、ボーナス額だけでなく、経営状況や職場環境もあわせて評価することが重要です。ただし、この金額はあくまで全国平均であり、実際のボーナス額は病院・施設の規模、経営状況、勤務地域、個人の経験や能力によって大きく異なります。入職前にボーナス額を考慮する際には、これらの要因を踏まえつつ、ボーナス以外の待遇や職場環境も総合的に評価しましょう。

 

正看護師のボーナス 平均支給額

正看護師のボーナスの平均支給金額は、さまざまな要因で変動しますが、概ね年間で80万円から90万円程度です。

(出展元:令和4年賃金構造基本統計調査

ボーナス額に影響を与える主な要因には、医療機関の規模、勤務形態、個人の経験年数、地域性などがあります。

夜勤が多い職場環境や、集中治療室や手術室など高度な専門性が求められる診療科では、より専門的な技術や重要な責任に見合った報酬が反映され、ボーナスが増額される傾向にあります。

 

准看護師のボーナス 平均支給額

准看護師のボーナスの平均支給金額は、正看護師と比較すると相対的に低く設定されており、一般的に年間で約50万円から70万円程度となっています。(出展元:令和4年賃金構造基本統計調査

この差異は、准看護師と正看護師の職務内容や責任の違い、そして必要とされる資格や教育背景の相違を反映しています。

准看護師の基本給与体系そのものが正看護師よりも低めに設定されていることが多く、それに伴いボーナスも比例して低く抑えられる傾向にあります。

准看護師から正看護師への資格取得を目指す方にとっては、このような待遇の差が資格取得の動機付けとなることもあるでしょう。

 

看護師のボーナスの【年齢別】平均支給額


年齢別看護師のボーナスは年齢によって大きく変動します。

一般的に、看護師は、経験年数に応じて経験も豊富になり、より高度なスキルや専門的な知識を習得するため、それに応じてボーナス額も増加する傾向にあります。

たとえば、新人看護師と比較して、10年以上のキャリアを持つベテラン看護師は、より複雑な医療処置や患者ケアを任されることが多く、その責任の重さや専門性の高さがボーナス額に反映されます。

また、管理職に就く機会も増えるため、さらにボーナス額が増額することもあります。

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、以下のような年齢別の平均年間賞与額が報告されています。

年齢 特徴 平均ボーナス額
20代前半

(20~24歳)

経験が浅く、基本的なスキルを

習得する段階

59.4万円
20代後半~
30代前半
(25~34歳)
中堅として経験を積み始め、

専門的なスキルや知識が向上する時期

79.2万円
30代後半~
40代前半
(35~44歳)
経験を十分に積み、

高度な医療処置や患者ケアも担当。

一部の看護師は主任や副師長などの

役職に就き始める

90.6万円
40代後半~50代

(45~59歳)

ベテラン看護師として、

高度な医療処置や患者ケア、

後輩の指導を担当。

多くの看護師が師長や看護部長などの

管理職として、部門の運営や

人材育成にも携わる

98.4万円

(出展元:令和4年賃金構造基本統計調査

これらの特徴は、年齢とともに経験や技能が蓄積され、それに応じて責任や役割が増加することを反映しています。管理職に就くことで、さらに高いボーナスが支給される可能性もあります。

 

看護師のボーナスの【経験年数別】平均支給額


看護師は、経験年数を重ねるにつれて専門的スキルや組織への貢献度が高まり、それに伴いボーナスも上昇する傾向があります。

特に同一施設での長期勤続は、組織への理解が深まったり、信頼関係の構築につながり、より高額のボーナスや特別手当の対象となることがあります。

前述同様に、これらのボーナス額数値は平均的な傾向を示すものであり、実際には病院の規模や経営状況、地域性、個人の能力や実績によって大きく異なる可能性があります。個々の状況に応じて変動することを念頭に置いておくことが重要です。

経験年数 特徴 平均ボーナス額 長期勤続の影響
1-5年目 基本的なスキルの習得期。

専門知識の向上に努める時期。

約60-70万円 同一施設での勤続により、
組織への理解が深まり、ボーナスが若干増加する
可能性がある。
6-10年目 中堅として経験を積み、

より高度な医療ケアを提供する。

組織への貢献度が増す。

約80-85万円 長期勤続により、
病院の方針や業務フローに精通し、効率的な業務遂行が可能になる。ボーナスが増加する傾向も。
11-20年目 専門性が高まり、

後輩の指導も担当。

組織内での信頼関係が構築される。

約90-95万円 長期勤続者は
組織の中核として認識され、管理職への登用機会が増える。ボーナスも大幅に増加する
可能性がある。
21年目以上 ベテラン看護師として

高度な医療ケアを提供。

管理職や指導的立場

に就く機会が増える。

約100万円以上 長期勤続によって蓄積された経験と

組織への貢献が高く評価され、

ボーナスが最も高くなる
傾向がある。

特別勤続手当などの
付加的な報酬が加わることもある。

(出展元:令和4年賃金構造基本統計調査

 

看護師1年目の初任給とボーナスはどれくらい?


厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師1年目の平均初任給は、約24万円です。

1年目のボーナスは、一般的に年間で基本給の2〜3ヶ月分程度が支給されることが多く、年間で約50〜70万円程度です。1年目は試用期間中であることや、勤務期間が短いことを理由に、ボーナスが減額されたり、支給されないケースもあったり、施設の規模や経営状況、個人の勤務実績によって大きく変動する可能性があったりするため、入職時にボーナスについての条件を確認することが大切です。

(出展元:日本看護協会 2023年病院看護実態調査報告書

 

看護師1年目の初任給

看護師1年目の初任給は、学歴によって変動する傾向があります。

一般的に、専門学校卒業者は月給23〜27万円程度、大学卒業者は25〜30万円程度、大学院修了者は27〜32万円程度の範囲に収まることが多いです。

この違いは、教育期間や専門知識の深さを反映しています。

専門学校卒業者の初任給は、一般的に月給23万円から27万円程度で、3年間の集中的な実践教育を受けているため、即戦力として期待されます。

大学卒業者は、より幅広い教養と4年間の専門教育を受けているため、初任給は25万円から30万円程度と若干高めです。研究や課題解決能力が評価されます。

大学院修了者は、さらに高度な専門知識と研究能力を持つため、初任給は27万円から32万円程度とさらに高くなります。特定分野での深い知識が求められる部署での活躍が期待されます。

区分 初任給(月給) 備考
専門学校卒 約23万円~27万円 3年制課程修了者が多い
大学卒 約25万円~30万円 4年制大学卒業者
大学院卒 約27万円~32万円 修士・博士課程修了者

(出展元:令和4年賃金構造基本統計調査

 

多くの医療機関では、夜勤や休日勤務などの特殊勤務に対して追加の手当が支給されます。これらの手当を含めると、実質的な月収は、表に示された初任給よりもさらに増加することも。

特に、救急医療や集中治療などの特殊部門では、より高額の手当が設定されていることが多いため、配属先によっても収入に差が生じる可能性があります。

新卒看護師は、単に初任給の額だけでなく、キャリア形成の機会や福利厚生、勤務環境なども含めて総合的に就職先を検討することが重要です。また、初年度は基本的なスキルの習得に重点が置かれるため、将来的な昇給やキャリアアップについて情報を集めておくと良いでしょう。

 

看護師1年目のボーナス

看護師1年目の平均ボーナス支給額は、初任給同様に学歴によって若干の差が見られます。専門学校卒の看護師は年間約30〜40万円、大学卒は約35〜45万円、大学院卒は約40〜50万円程度のボーナスが支給される傾向にあります。

区分 1年目のボーナス(年間) 備考
専門学校卒 約30万円~40万円 3年制課程修了者が多い
大学卒 約35万円~45万円 4年制大学卒業者
大学院卒 約40万円~50万円 修士・博士課程修了者

(出展元:令和4年賃金構造基本統計調査

 

看護師経験を積み重ねると、キャリアの発展とともにボーナス支給額も向上する傾向にあります。

新人看護師は、初年度のボーナス支給額だけでなく、将来的な昇給やキャリアパス、福利厚生なども含めて総合的に就職先を検討しましょう。

また、入職時にボーナス評価制度や支給基準などについて理解を深めておくと、より適切な期待値を設定できるようになります。

 

看護師のボーナスが支給されない場合


看護師のボーナスが支給されない、または支給額が少ない場合、その要因は複数考えられます。

主な理由としては、病院や施設の経営状況、個人の評価、勤務条件などが挙げられます。

これらの要因がボーナスにどのように影響するか、以下に詳しくまとめました。

自身の勤務施設の状況を客観的に把握し、必要があればキャリアや勤務状況の改善や転職に向けて行動を起こすきっかけにしましょう。

 

理由① 病院や施設の経営状況悪化

第一の理由は、職場となる病院や施設の経営状態が良好でない場合です。

さらに、新型コロナウイルス感染症の流行のような予期せぬ事態も、経営に大きな影響を与えボーナスに影響を及ぼす可能性があります。

 

理由② 個人評価制度の影響

第二の理由は、看護師の個人的な業績や能力評価の影響です。

多くの医療機関では、看護師個々の勤務態度、業務遂行能力、チームへの貢献度などを評価する制度を設けています。この評価結果によっては、ボーナスが支給されなかったり、減額されたりすることもあります。個人評価基準は、施設によって異なるため、自身の働きぶりがどのように評価されているかを常に意識して業務に取り組むことが大切です。

上司や同僚とのコミュニケーションを通じて、自身の評価や業績を正確に把握し、継続的に自己改善へ取り組みましょう。

 

理由③ 勤務期間の不足

第三の理由は、勤務期間に関連する部分です。

多くの施設では、一定期間(例えば6ヶ月以上)の勤務実績がボーナス支給の条件となっています。

新規採用や転職直後の場合、この条件を満たしていないことがありますが、これは一時的な状況に過ぎません。継続的な勤務により、次回のボーナス支給時期には条件を満たせるでしょう。

また、年度途中での入職の場合も、最初は減額される可能性がありますが、次年度からは通常の評価対象となります。

このような制度は、長期的な勤務を奨励し、安定した人材確保を目指す医療機関の方針によるものです。

新しい環境での努力と成長が、将来的により良いボーナス評価につながることを期待して、前向きに業務に取り組むことが大切です。

 

まとめ


看護師のボーナスは、勤務施設、地域、経験年数、個人評価など複数の要因で変動します。

近年では、専門スキルの習得、資格取得、利用者満足度への貢献など、個人の実績や能力評価がより重視され、ボーナス支給額に反映される傾向にあります。

この多様性を踏まえ、看護師一人ひとりが自身の状況や目標に合った職場やキャリアパスを選択する力を養うことが重要です。

ボーナス額だけでなく、職場の雰囲気、成長の機会、ワークライフバランスなど、将来を見据えた多角的な視点を持って最適な職場を選択しましょう。

 

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