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病院以外にも広がる看護師の活躍の場所
看護師が転職を考えるときは、病院の中から勤務先を選ぶことが一般的です。
しかし、病院以外にも働く場所の選択肢をもっておくと、自分に合った働きやすさや年収を実現しやすくなるでしょう。
この記事では、看護師が転職で病院以外を選ぶ理由や、そのメリット、選び方に焦点を当てています。
具体的な職場や職種も紹介しており、実際に行動に移せる内容です。
この記事を通して、看護師がより良い職場選びに役立てていただき、豊かなキャリア形成やライフスタイルの充実を叶えるための情報を提供します。
看護師はどんなところで働いている?
看護師の勤務先といえば、病院を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、近年では病院以外の勤務先を選ぶ看護師が増えてきています。
実際にどうなのか、厚生労働省が発表する「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)」の資料を参考に詳しく紹介します。
資料によると、看護師が働く職場は、以下のとおりです。
・病院:69.0%
・診療所:13.2%
・助産所:0.0%
・訪問看護ステーション:4.9%
・介護保険施設等:7.9%
・社会福祉施設:1.7%
・保健所:0.1%
・都道府県:0.2%
・市町村:0.6%
・事業所:0.4%
・看護師等学校養成所または研究所:1.4%
・その他:0.7%
看護師が働く職場として割合が高いのは、病院や診療所という結果が出ています。
次いで介護施設が多い状況となっており、一般企業に就職する看護師の割合はかなり少ないのが現状です。
看護師が病院以外で働いている理由は?
病院以外で働く看護師の割合は少ないことがわかりました。
しかし、一部の看護師は病院以外で働いており、なぜ病院以外で働くのかそのメリットや魅力について、以下の項目で明らかにします。
働き方や生活スタイルの変化
看護師が病院以外で働く理由のひとつに、ライフスタイルの変化が挙げられます。
たとえば、結婚・出産・子育てなど生活環境が大きく変わるタイミングでの転職です。
入院施設のある病院は夜勤や残業がありますが、家族が増えると家庭に合わせた働き方が求められるようになります。
一方で、病院以外の職場では、日勤のみやパート勤務といった働き方が可能になるため、プライベートを重視した働き方を求める看護師が選ぶことがあります。
キャリアアップやスキルアップ
病院以外の職場を選ぶ理由のひとつに、キャリアアップを狙った転職があります。
今まで経験したことがない専門的な知識や技術を学ぶため、転職を選ぶケースです。
たとえば、介護関連のスキルアップや、子どもに特化した医療提供、働く人の健康管理に特化したスキルが学べる職場もあります。
このように、病院では学べない新たなスキルを身につけたい理由で、病院以外の職場を選ぶ看護師もいるでしょう。
新しいことにチャレンジしたい
病院以外の職場では、スキルや技術が学べる以外にも、新たな医療に関わる経験を求めるケースがあります。
たとえば、企業の産業看護師は、従業員の健康管理や疾病予防に携わる重要な立場です。
病院では病気になってから患者さんが受診しますが、産業看護師はその前の予防ができるため、やりがいを感じられる職場だと言えます。
また、医療機器メーカーや製薬会社で、新たな機械や薬の知識を身につけることもできます。
病院の現場で人と関わるよりも、研究により人を救える立場として働きたい看護師は、病院以外の職場を求めるメリットがあります。
給与や待遇を重視したい
看護師によっては、給与や待遇アップを狙って病院以外の職場に転職するケースもあります。
病院は夜勤や残業で給与アップを目指せますが、病院以外でも高収入を得られる職場は多いです。
給与アップと夜勤がない働き方も選べるため、プライベートを重視しながら高収入を目指す看護師が転職先として病院以外を選ぶケースもあるでしょう。
看護師が「病院以外」で活躍できる職場・職種
具体的に病院以外でどのような職場があるのか、以下で詳しく掘り下げます。
介護施設・企業・学校など全部で9つの職場の特徴や魅力を詳しく紹介します。
一般クリニック
一般クリニックは、地域の人たちの健康を支える立場の医療機関です。
主に、日常的なちょっとした体調不良の診察や、持病がある方の投薬管理、また予防医療にも携わっています。
一般クリニックにおける看護師の仕事は、診察・検査・治療の補助です。
患者さんの案内や相談に乗るなどケアも看護師が担当します。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションは、自宅で療養する患者さんのお宅でケアする事業所のことです。
事業所では多くの看護師をスタッフとして抱えており、交代で患者さんの体調管理や療養指導、生活援助などを行います。
訪問看護ステーションの仕事は、看護師が1人で対応することがほとんどです。
患者さんは安定している方が多いため急変するリスクは少ないのですが、1人でも臨機応変に対応できることが求められるため、病院での経験が豊富な看護師に向いています。
この仕事のメリットは、患者さんとの距離が近く、やりがいがあることです。
病院のように多数の患者さんの対応をすることがなく、一人ひとりに必要な看護ができる喜びを得られるでしょう。
介護施設
介護施設では、要介護者や要支援者が入所し生活しており、生活援助や介護サービスを提供しています。
看護師の仕事は、入所者に対する健康管理や医療ケアです。
たとえば、検温や血圧を測定するバイタルチェックや、口腔ケア、爪切りなどの健康管理をします。
また、簡単な怪我の処置や、人工肛門でたまった排泄物の処置、カテーテルの準備なども看護師の仕事のひとつです。
介護施設では、医師の指示や指導のもと行える医療行為もあります。
投薬・点滴・採血・たんの吸入・床ずれ処置などは、医師の指示や指導のもと看護師が対応できます。
看護師が介護施設で働くメリットは、プライベートを重視した働き方ができる点です。
また、病院のような難しい医療行為がなく、入所者の健康管理が主な仕事のため、精神的なプレッシャーが少なくて済むでしょう。
ただし、高齢者が入所していることが多く、施設内で急変する可能性もあるため、そのような場面で対処できる経験が求められます。
デイケア・デイサービス
デイケア・デイサービスも、介護施設関連の仕事です。
看護師の仕事は、入所者の健康管理や安全確認などで、介護施設での仕事と似ています。
しかし、デイケア・デイサービスは、要介護者や要支援者を日中の短時間だけ預かるという違いがあります。
介護施設内で、機能訓練やレクリエーションなどのサービスを提供する目的があり、介護施設で入所者のケアをする方法と比べて、デイケア・デイサービスは難しい対応が求められません。
保育園・幼稚園
子どもを預かる保育園や幼稚園で、子どのもの健康管理や衛生管理をする仕事です。
看護師の仕事は幼稚園では多くありませんが、厚生労働省が保育園に1名の看護師の配置を保育士1名として数えることを認めており、保育園での仕事は増えている傾向があります。
保育園や幼稚園の仕事は、体調不良を訴える子どものケア、食物アレルギーへの対応や感染予防などがあります。
また、運動会などの行事に付き添い、怪我をした子どものケアも必要です。
保育園と幼稚園の仕事は子どもが相手となるため、小児科の看護経験があるとベターです。
大人と子どもとでは看護のやり方が異なっており、感染症の情報収集や、子どもの突然の体調不良にも対処できるスキルが求められます。
学校
学校での看護の仕事は、子どもや生徒の健康管理や衛生管理を行います。
一般の学校にある保健室の仕事や、医療行為が必要になる支援学校で働く2つのパターンがあります。
通常、学校の保健室で働くためには養護教諭の免許が必要ですが、私立学校などでは看護師免許のみで応募可能なところもあります。
保健室で働くメリットは、カレンダー通りの勤務日程となることです。
学校に通う子どもがいる家庭では、学校の看護師の仕事は働きやすいでしょう。
また、一般の学校内で、医療ケアが必要になる子どもが通っている学校もあります。
医療ケアの必要な子どもがいる場合は、医師と連携したケアが必要です。
看護師は、医師に対し子どもの様子を伝える役割も持っています。
学校で働く看護師は、子どもまたは学生の健康管理に責任を持たなければなりません。
人との出会いや成長を感じられる職場ではありますが、看護師1人の対応が求められる場面もあるため、ある程度経験を積んだ方におすすめです。
企業の産業看護師
企業の産業看護師は、企業で働く従業員の健康管理や疾病予防、また応急処置を行います。
また、治験センターの看護師として働く方法もあります。
一般企業で看護師が働くメリットは、日中のみの勤務となる点です。
9時~17時までの勤務時間で、土日休みが多いため、プライベートを重視したい方に向いています。
また、大企業の看護師では、年収が高い職場を選ぶことも可能です。
医療機器メーカー
医療機器メーカーの看護師の仕事は、医療機器の開発や臨床試験、使用指導などを行います。
また、より専門的で高度な知識を保有する看護師を営業スタッフに同行させる医療メーカーもあります。
医療機器メーカーで看護師が働くメリットは、夜勤なしの安定性です。
プライベートを充実させながら、医療と関わる仕事をしたい方に向いているでしょう。
営業やマーケティング部門では、看護師のスキルはそれほど求められないため、看護師の経験が少なくても採用される可能性があります。
ただし、手術に立ち会い医療機器の使い方を説明するクリニカルスペシャリストになるためには、オペ室の看護経験が必要です。
製薬会社
製薬会社での看護師の仕事は、医薬品の開発・臨床試験・安全管理などを行います。
看護師が製薬会社に勤めるメリットは、年収アップが見込める点です。
大企業になれば年収1,000万円も夢ではありません。
製薬会社で看護師が働く場合、高度な医薬的・薬学的な知識が求められます。
また、残業や出張を伴う仕事もあるため、プライベートを重視する方より、年収アップを目指す方におすすめの職場です。
病院以外の選択肢を選ぶ時、派遣や転職エージェントの利用がおすすめ
看護師が病院以外で働く場合、幅広い職種から最適な職場を選ぶ必要があります。
選択肢が増える分迷いも生じやすくなるため、転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントは、あなたの希望やキャリアプランに合わせた求人紹介をしてくれます。
未経験の分野でも、詳細な仕事内容をもとに最適な職場探しをサポートしてくれるため、頼もしい存在です。
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各種アドバイスから求人情報の提供、職場の情報提供もあるため、病院以外に転職を考えている看護師の方は、ぜひ利用を検討してみてください。
まとめ
看護師が病院以外で働く方法には、魅力的な内容が多数あります。
スキルアップ、プライベートを重視した働き方、年収アップなどの魅力があるため、自分に合った職場を選べるのが特徴です。
自身のスキルや魅力を最大限に発揮し、充実感のあるキャリアを築くことを希望している方は、病院以外の職場にも目を向けてみてはどうでしょうか。
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