認知症だと気づかず、死角の部屋にしたら転倒していた|看護師インシデントアンケート

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看護師インシデント

年齢・性別

29歳・女性

現在の居住都道府県

福岡県

看護師として働いた(働いている)年数

2年目

インシデント発生時、どなたかに相談しましたか?

先輩看護師

インシデント発生時の状況

看護師インシデント

頭部外傷で16時に入院された患者さんの転倒に対するインシデントの状況について記載いたします。脳神経外科に勤めており、16時30分に夜勤者へ申し送りになります。16時に入院となり病棟に上がってきた患者さんは一人暮らしで階段からの転倒による頭部外傷で救急搬送されました。脳に損傷はないが1日だけ経過観察入院となりました。一人暮らしのため、付き添い家族などはいませんでした。情報収集を取るのも本人にひとつずつ確認しながらとるため時間を要しました。ある程度の情報収集をした段階で、夜勤者へ申し送りを行っている時、病室から物音がしたため走って向かうと、ベッド横で転倒している患者さんを発見しました。トイレに行こうと思いベッドを降りたところ転倒したと話されていました。情報収集行っている際に、ナースコールの説明や独歩は禁止の旨をお伝えしていました。しかし、ナースコールなく一人でトイレへ歩行していました。自分の足につまづき床に転倒しました。物音はその際にぶつかったテーブルの音でした。後の検査で認知症であることが判明しました。情報収集の際、認知症の症状なく、はっきり受け答えされていたため、認知症とは気付きにくかったです。頭は打っていないと話すが、医師の指示により頭部検査をして、異常はありませんでした。普段認知症や意思疎通が困難な患者さんには、センサーマットを敷いたり、ナースステーションから見える部屋に入院していただくのだが、今回はナースステーションからも死角になっている部屋で、センサーマットなどは引いておらずなにも対処をしていなかったです。情報収集の時間も少なく、患者さんの日常生活など認知症を気づくことができる可能性の情報を取れていませんでした。

インシデントの主な原因

原因は、情報収集不足と危機管理不足だと思います。情報収集不足に関しては、申し送りをしなければと焦ってしまい、アレルギーや内服薬、持病などは聴取しましたが、日常生活状況であったり、物忘れることがなかったかなど、認知症と気づくことができる質問をしていませんでした。そのため、患者さんの状態、排泄の希望を把握していないまま部屋を離れてしまい、トイレに行きたかった患者さんを一人にしてしまったことによる転倒でした。危機管理不足に関しては、入院して数分しかたっていない患者さんがどのような行動をするのか、慣れない病室で起こり得る危険はないか、ということに対してなんの対策もしていなかったことです。受け答えが、しっかりしているからナースコールの説明を行うことで、呼んでくれるだろうと自己判断してしまっていました。もし一人で歩いた際、転倒のリスクはあるのか、転倒しにくい環境になっているかを考えて予防策を行っておかなければならなかったです。

インシデントへの対処方法

患者さんの情報収集を的確に行いました。特に、一人で入院される患者さんに関しては本人の話し方、動作を観察し、日常生活を踏まえた普段の生活状況の情報収集を行います。申し送り時間が近づいている際は、夜勤担当看護師に情報収集に時間がかかる旨お伝えし、後回しにしてもらいます。

インシデント後の経過

転倒後、検査では異常なく、翌日退院となりました。

インシデントを無くすためには

今回のインシデントは時間への焦りから起こってしまった可能性が高いです。1番に患者さんのことを考えて、他スタッフにも協力をお願いし、気持ち焦らず念入りに情報報告をすることが大切です。焦っているときは、予防策としてマットコールを説明して設置します。

インシデントで悩んでいる看護師さんたちへのアドバイス

看護師

インシデントを起こしてしまうとすごく落ち込みます。インシデント記録を書いていると冷静になり、何であの時予防しなかったんだろうと反省する点がたくさん出てくると思います。あと、そのインシデントをみて他スタッフも気をつける点に気づけるかと思います。それを目的としたインシデント報告なので、些細なことでもインシデント報告するようにしています。

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