採血患者が多く、焦りによる採血作業の確認不足|看護師インシデントアンケート

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看護師インシデント

年齢・性別

36歳・女性

現在の居住都道府県

愛媛県

看護師として働いた(働いている)年数

14年

インシデント発生時、どなたかに相談しましたか?

周囲にいた先輩看護師2名

インシデント発生時の状況

注射器

私が総合病院の外来にて仕事をしていた時のことです。そこでは、1日に平均で60~70人ほど採血をしていました。当日の朝、全自動採血管準備装置を稼働させ、フリー業務の看護師数名で、氏名や生年月日のシールが貼られた予約採血者の採血管を患者ごとにトレーに分けていき、採血を行っていくというのが、いつもの流れでした。その日私は、フリー業務だったため採血や点滴を行っていました。同様に別のフリー業務の看護師Aさんも採血を行っており、ある時間帯に、その中の一人で、糖尿病患者Bさんの採血を行っていたのですが、治験薬の研究対象者でもあったため、採血管が10本以上必要な患者でした。しかし、患者は高齢であり血管も細く、一回の採血では、採血量が十分とれなかったため、何度か採血をとりなおしながら行っていました。その際、一本の採血管の中の血液量が足らず、採血管の中で血液が凝固してしまっていたため、看護師Aさんが採血管準備装置を稼働させ、新たに氏名入りの採血管を用意しました。看護師Aさんは、何度も採血を繰り返しているので患者に申し訳ないからと、私に採血を依頼してきました。採血する際には、本人確認として、採血菅に貼られたシールと照らし合わせながら、患者本人に氏名と生年月日を確認することが決まりとなっていたのですが、途中から採血を変わったため、本人確認は看護師Aさんがしているから大丈夫だと思い「〇〇さんで間違いないですか」と口頭で確認しただけで、そのまま採血を実施しました。その後、検査科から連絡があり、Bさんの採血菅が一本足りないことと、まだ来院していない採血予定の入っている別患者の採血菅があると連絡がありました。検査科に採血管を提出する際、採血管も多く不安だったため、私と看護師Aさんの他に、近くにいた看護師Cさんと三名で採血管の種類と数を確認してから提出していたため、間違いないはずだと伝えたのですが、しばらく振り返っていると、採血管の種類と数は確認したけれど、すべての採血管の氏名の確認ができていなかったことと、看護師Aさんが新たに採血管を準備していたことを思い出しました。そして、すぐに採血管準備装置の履歴を確認したら、新たに準備した一本が、検査科から連絡があった来院していない別患者であることが分かりました。

インシデントの主な原因

採血患者が多く業務も煩雑な中で、焦りや確認不足、本人確認も不十分でした。複数人で確認したにもかかわらず、どこかで大丈夫だろうという思いがあったのか、全員の確認が不十分でした。

インシデントへの対処方法

すぐに外来総合窓口の当日リーダーの看護師に報告したあと、看護師長へ報告しました。その後、検査科へ患者間違いがあったことを伝え、依頼のなかった患者の採血菅一本が患者Bさんのものであることを伝えました。

インシデント後の経過

患者に対して、再度採血をとったりと、苦痛を与える等の影響は見られませんでした。

インシデントを無くすためには

「忙しいから。」「他の人が確認しているから大丈夫。」というのは、全く理由にならないです。人間だから、間違うことは誰にでもあります。どんな人でも間違うことはあるので、その間違いを防ぐためにも、一人一人が自分の行動に責任をもって一つ一つの行動に対して、間違っていないか振り返り、自分を過信することなく、確認していくことが大切だと思います。

インシデントで悩んでいる看護師さんたちへのアドバイス

看護師インシデント

看護師をしている中で、私も含め、インシデントが一つ起こると、小さなことも含め、続いてしまうことがよくありました。病棟や外来問わず、それぞれ忙しい場面が多くある中で、いつも緊張感をもって仕事しているとは思うのですが、その中で訪れるちょっとした気の緩みが、インシデントにつながってしまうこともあるかと思います。また、私は、インシデントを起こしてしまった際に、「あの時、こうすればよかったのに。」と気持ちも落ち込んでしまい、それがまた次のインシデントにつながってしまったこともありました。なので、起こしてしまったことはちゃんと受け止めて、次は絶対にしないように振り返り改善すればいいのだと思います。また、気持ちの切り替えをすることも大切だと実感しています。自分が没頭して楽しめることを見つけることも大切だと思います。

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