前頭部に留置されたクランプ中のEVDチューブの自己抜去|看護師インシデントアンケート

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男性看護師インシデント

年齢・性別

30歳・男性

現在の居住都道府県

神奈川県

看護師として働いた(働いている)年数

5年

インシデント発生時、どなたかに相談しましたか?

同職者、先輩

インシデント発生時の状況

病院

インシデント内容は、脳出血術後2日目、前頭部に留置されたクランプ中のEVD(脳室ドレナージ)チューブの自己抜去というものです。背景として、患者は60代男性、脳出血後、麻痺は無いが高次脳機能障害(主に前頭葉症状として注意障害)により、病識の欠如からドレーンに対する危険認識はありません。また、術後せん妄も生じており攻撃的な言動や行動が目立ち、体幹抑制と両手ミトンを装着して対応していました。発生時は夜勤中であり、少人数体制でした。さらに、体位変換の時間でスタッフは全員他患者対応中でした。患者が大声を挙げたため、他患者の体位変換を中断し、訪室したところ、ミトンは外され、右手にドレーンチューブを持っているところを発見しました。

インシデントの主な原因

身体抑制におけるアセスメント不足でした。つまり、麻痺が無いためミトンを外すことが可能なADLであることと、常在する注意障害にせん妄状態が重なることにより自己抜去のリスクが高まっていた時間帯であったことに対して個別にアセスメントができていませんでした。

インシデントへの対処方法

抜去部の出血状況を確認し、ガーゼで圧迫止血しました。抜去されたチューブが損傷せずに先端まで存在することを目視し、体内遺残が無いことを確認しました。当直医へ報告しました。

インシデント後の経過

当直医診察後、抜去部は縫合、ガーゼ保護し、頭部CT検査後、経過観察となりました。その後も問題無く患者はリハビリ病院へ転院されました。

インシデントを無くすためには

もし適切なアセスメントができていれば、せん妄が落ち着いてくる時期まで、あるいはEVDが留置されている期間は夜間のみ抑制を強化するなど対策を取ることができていたと考えられます。

インシデントで悩んでいる看護師さんたちへのアドバイス

男性看護師

インシデントを起こせば落ち込んでしまいます。しかし、アクシデントを未然に防ぎ、対策を含めて周知することでそのインシデントが次の患者を守ることにつながるのです。起こしたことは気にしすぎず、しかし忘れることなく次へ学び活かすことが大切です。

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