【2023最新版】看護師に必要なアセスメントのコツとポイント

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考える女性

「アセスメント」は、看護を提供する時に必ず必要になるスキルの一つです。きっと経験年数を重ねても苦手意識が払拭できない方も多いのではないでしょうか。今回はアセスメントの定義や看護過程について、アセスメントのポイントを記録や理論から解説していきます。

看護現場での「アセスメント」とは

心電図

看護のアセスメントは「情報を集約し分析をする行為」のことを言います。アセスメントは援助を行う際には必ず伴ってくる思考です。根拠をもって看護を行わないと行き当たりばったりでは命に関わりかねません。アセスメントは看護過程の中のプロセスです。情報を集めて行動に移すまでの思考をまとめたものになるので、とても大切なプロセスとなっています。では看護過程について少し見ていきましょう。

看護過程

看護過程とは、集めた情報(情報収集)をもとにクライアント(患者や利用者など)の状態を分析し、問題点を見つけ出し、解決するための計画を立てて実施したものを評価していきます。評価した結果を再度アセスメントにつなげたり計画を修正してフィードバックしていく過程のことを言います。それでは過程を一つずつ見ていきましょう。

情報収集

まずはクライアントについての情報を集めていきます。情報は本人から聞く「問診」以外にも身体の状態や表情などからも集められますし、検査データや家族から聞いたことなども全て情報に入ります。これらの情報を集約してアセスメントに繋げます。

アセスメント

情報収集をし、その中からクライアントの何が生活の質を下げているのかを分析して見極めていきます。この段階でしっかりと分析をしておかなければ、問題点を見誤ってしまいます。なぜ今このような状況なのか、どの情報からこのように考えられたのかなど根拠をもって分析していきます。

問題点の抽出

アセスメントを終えると必然的に問題が抽出されています。この問題点に優先順位をつけて計画につなげていきます。

看護計画の立案・実施・評価

問題点を解決するために必要な看護を提供します。ただ闇雲に看護を行うのではなく、目標設定を行い看護師同士はもちろんクライアントとの共通目標として看護をおこないます。

看護アセスメントのポイント

メモを取る人

それでは看護アセスメントのポイントについて解説していきます。

看護記録

看護記録にはいろんな種類がありますが、一番使われているのは「SOAP」です。
SOAPには主観的データ(S[subject deta])や客観的データ(O[object deta])を記入して情報を分けて整理していきます。
S 情報にはクライアントが話した言葉など、看護師自身ではわからないことを記載していきます。
O 情報には看護師が目で見たことや匂い、触感、聴診できいたことなどが入ってきます。推測は入れてはいけません。
S 情報とO情報で情報が整理されたら「A[assessment]」のアセスメントを行っていきます。ここで情報をもとに考えられることを書き出していきます。
S 情報にないこと、O情報に書かれていない情報がAに出てこないようにしましょう。Aで考えたことを解決するために、看護師が何を行っていくのか記載するのが「P[plan]」の計画です。
SOAPは看護過程をそのまま記録にした形式なので、頭の中を整理しやすく、他の看護師にもわかりやすいためとても使いやすい形式だと思っています。

看護理論

結論から言うと「情報のまとめ方」がいろいろあり、それを専門的に説明しているのが下記の方々の看護理論です。「こんな感じに分類すると問題がみえやすいですよ」ということです。看護理論を考えるときに有名なのが、

【ヘンダーソン:14の基本的欲求】
呼吸・飲食・排泄・姿勢・睡眠と休息・適切な衣類の選択・体温の維持・身体の清潔・安全・コミュニケーション・信仰・仕事・遊びやレク・学習
【ゴードン:11の機能的健康パターン】
健康知覚-健康管理・栄養-代謝・排泄・活動-運動・睡眠-休息・認知-知覚・自己知覚-自己概念・役割-関係・セクシュアリティ-生殖・コーピング-ストレス耐性・価値-信念
【マズロー:5つの人間のニードの階層構造(欲求5段階説)】
生理的欲求⇒安全の欲求⇒社会的欲求⇒承認欲求⇒自己実現の欲求
【ロイ:4つの適応形式】
生理的様式・自己概念様式・役割機能様式・相互依存様式
【NANDA-l:13領域による分類】
ヘルスプロモーション・栄養・排泄と交換・活動/休息・知覚/認知・自己知覚・役割関係・セクシュアリティ・コーピング/ストレス耐性・生活原理・安全/防御・安楽・成長/発達

などがあります。ヘンダーソンやロイなどはよく看護学校の臨地実習でも使われます。NANDA-1は実際に看護師となって現場に出ると病棟内でのアセスメントで用いるところもあります。似たような項目が並んでいるのにお気づきでしょうか。根本的な枠組みは一緒ということです。自分が整理しやすい理論を用いて情報収集やアセスメントを展開していきましょう。

アセスメントを書くコツ

女性

アセスメントを行うときには順序を立てて行うと考えやすいです。
①まずは現状を把握しましょう
クライアントが現在、目の前でどのような状況なのかを考えていきます。S情報やO情報をしっかり収集していきましょう。
②原因について考える
現在の状況がなぜ起きているのかを考えていきます。なぜ転倒したのか、なぜ熱が出たのかなどの原因を探していきます。この時に情報がないと分析できないので①の段階でしっかりと情報を集めておきましょう。
③今後について考える
現在の状況を解決するために行う行動を考えていきます。発熱しているのに運動療法を行うなどということはありませんよね。②で根拠を添えて分析することで、具体的かつピンポイントで解決する行動が見えてきます。
④評価をする
自分が行った援助に対して分析が正しかったのか、もっとすることがあるのか、終了してもいい計画があるのかなどを見直していきます。評価をすることで現状に即した看護ができるようにアップデートしていきましょう。

まとめ

パズルのピース
アセスメントはとにかく症例をたくさん見ることで精度や速さが増していきます。看護過程と聞くと苦手意識が先行してうやむやにしてしまう方も多いですが、しっかりマスターすることで看護のプロとして看護が提供できます。しっかり必要な情報を収集して情報を基に分析し、解決のための援助を行っていきましょう。そして評価をすることで正しかったのかどうなのか、答え合わせをすることができてレベルも上がっていきます。慣れるまでは頭がパンクして辛いでしょうが、習得していきましょう。

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