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年齢・性別
36歳、男性
現在の居住都道府県
三重県
看護師として働いた(働いている)年数
7年
インシデント発生時、どなたかに相談しましたか?
当直医、夜勤だったのでペアを組んでいるもう1人の看護師
インシデント発生時の状況
対象患者は80代、女性、高齢の患者さんで入院された現疾患(食思不振の精査目的)以外にも認知症を患っていました。入院後は輸液治療と並行し食事形態を工夫し、配食や介助を行っていましたが食事摂取が進まないため、一時的な代替栄養法としてEDチューブを鼻腔に挿入していました。私が夜間巡視のために訪室すると、EDチューブが自己抜去されていました。
インシデントの主な原因
事前対策として視界にチューブ類が見えないよう配慮をしてミトン(身体拘束の一種)を装着していました。ミトンを装着しているため自己抜去はないと思い込んでいた節がありました。しかし、24時間鼻腔に挿入されていることもあり、違和感や手に届く範囲にEDチューブがあり自己抜去に至ったと考えます。
インシデントへの対処方法
①EDチューブが手に届かないよう身体拘束を適切に実施します。
②EDチューブが視界に入らないように側臥位時など患者さんの目線で評価をします。
③EDチューブの固定についてもテープで簡単に剝がせないように対応します。
④訪室回数を増やします。
インシデント後の経過
EDチューブ自己抜去の件を翌朝主治医に報告します。主治医へ報告後バイタルサインの変化がないことや、鼻腔から十二指腸までの損傷がないことを確認の上、再度輸液治療と並行し経口摂取を試みる治療方針となりました。
インシデントを無くすためには
チューブやドレーン類の自己抜去を無くすには、インシデントへの対処方法にもありますが、身体抑制を適切に実施することです。また、手に届く範囲にチューブやドレーン類があるかどうか、認知機能で問題はあるかどうか、ICU症候群などの一時的なせん妄状態にあるかどうかなどの患者さんの判断能力を適宜評価していくことが重要だと思います。
インシデントで悩んでいる看護師さんたちへのアドバイス
EDチューブなどのドレーン類の自己抜去で悩んでいる看護師さんは多いと思います。対策をしようにも、ある程度その手段が限られています。身体抑制がその対策手段として最もたるものですが、それですら完全にインシデントを防げるわけではありません。特に患者さんへの訪室回数が減り、消灯後は十分な観察が容易ではなくなるため昼間とは異なる対策が必要だと考えられます。認知症は夕暮れから症状の増悪を来すことが多いため昼間で行っている対策に追加して身体抑制の方法を変更したり、EDチューブの固定を強固にするなどのその場に応じた臨機応変な対応や工夫が必要になってきます。
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