看護師のボーナス額を年齢別と経験年数別で紹介しています。新人看護師のボーナス額や給料の査定基準、ボーナスの高い職場、転職を考えたときの方法もあげているので、参考にしてください。
Contents
看護師のボーナスの平均額とは?
看護師として働いていれば誰しも同じ金額のボーナスをもらうかというと、そうとは限りません。
勤続年数や経験年数、働く地域や施設の規模などによりボーナス額は大きく変わります。
せっかく看護師として働くのなら、少しでもボーナスが高い職場で働きたいという人は多いでしょう。
「もっとボーナスを増やしたい」と思ったときは、今あなたがもらっているボーナス額を年齢・経験年数による看護師のボーナス平均額と比較しましょう。
それより低いと転職やキャリアアップを考えるきっかけになります。
ここでは看護師のボーナスの平均額や金額を決める査定の基準、転職やキャリアアップなどでボーナスを増やす方法を紹介します。
転職を考えたときのために看護師の転職情報も紹介するので、働きながらチャレンジするにはどの方法が自分に合っているか考えましょう。
看護師の「年齢別」のボーナス平均額
看護師の年齢別のボーナス平均額を表にまとめました。
今、もらっているボーナスの額と比べてみてください。
金額は夏と冬の両方をあわせて計算した額になっています。
<年齢別ボーナスの平均額>※単位:万円、小数点第2位以下切り捨て
年齢(歳) | 男性 | 女性 |
20~24 | 38.5 | 45.0 |
25~29 | 76.4 | 74.6 |
30~34 | 90.3 | 76.8 |
35~39 | 95.6 | 86.0 |
40~44 | 110.8 | 96.2 |
45~49 | 105.0 | 97.7 |
50~54 | 103.1 | 102.8 |
55~59 | 129.2 | 107.0 |
60~64 | 106.2 | 72.5 |
65~69 | 55.1 | 50.5 |
70~ | 33.5 | 36.2 |
男女ともに、55~59歳が最もボーナスが高額になる年代という結果になりました。
看護部長になる年齢は50歳以上がめやすといわれており、そのためボーナス額も最高になる傾向があります。
ちなみに看護師長は40歳以上、看護主任は30歳前後以上です。
しかし一定の年齢になれば誰でも管理職につけるわけではなく、看護師として働いた年数やその下の管理職として働いた年数も関係があります。
看護師の「経験年数別」のボーナス平均額
看護師として働き始めてから1年以上でボーナスの金額はどうかわるか、平均額を一覧表にしました。
<経験年数別ボーナスの平均額>※単位:万円、小数点第2位以下切り捨て
経験年数(年) | 男性 | 女性 |
1~4 | 73.3 | 70.2 |
5~9 | 94.4 | 82.8 |
10~14 | 114.0 | 87.8 |
15~ | 103.6 | 103.6 |
男性女性ともに、経験年数が上がるほどボーナス平均額も上昇しています。
経験年数15年以上と1~4年を比べると、男女どちらも1.5倍前後の金額まで上がっていることがわかります。
転職を考える場合、看護師ではない仕事を選ぶよりも看護師として働ける他の職場へ転職して経歴を重ねた方が、ボーナスアップへの道のりは近いといえます。
新人看護師のボーナス平均額
看護師になり現場で働き始めたばかりの、経験年数0年で1年目の新人看護師のボーナス平均額を男女で比較します。
男性 | 女性 |
6.9万円 | 9.6万円 |
年齢別ボーナス平均額と経験年数別ボーナス平均額とは違い、女性の方が高い結果が出ました。
看護師のボーナス査定の基準
営業職や小売業などは仕事の成果を数字で表し、昇給評価の参考にする業種もあります。
しかし看護師の仕事は売上など数字で成果が出ず、評価が難しいため、
・年次査定
・勤怠査定
・役職査定
の3つを見て評価し、給料やボーナスはいくらか、どれだけ上げるかを決めます。
この章では看護師のボーナス額に関係のある、年次査定・勤怠査定・役職査定について説明するので、日頃の業務の中でチェックされる部分を覚えておきましょう。
年次査定
年次査定とは勤続年数など、同じ職場で働き続けた年数によりボーナス額が上がる査定方法です。
ひとつの職場で長く働くほどボーナスアップする傾向にあり、つねに人手不足の看護師業界では辞めずに続けてくれる人材は貴重です。
前章の経験年数によるボーナス額一覧表にも、勤続年数が長い人ほどボーナス額が高い傾向が数字にはっきりと現れています。
看護師のボーナスは夏季と冬季の2回支給されるケースが多く、それぞれ基本月給2か月分程度です。
日頃の基本給がボーナス額と関係があるので、勤務年数とともに基本給が上がり、それにともなってボーナスもアップしています。
勤怠査定
勤怠査定では、遅刻・早退・欠勤などの勤怠をボーナス額を決める際に参考にします。
売上などの数値で働きをはかれない分、記録に残る勤怠は重視されるポイントです。
理由がどうあれ、遅刻・早退・欠勤などが多いとその分ボーナスに影響し上がりにくい可能性があります。
なぜならボーナスは対象期間の月給と関係があり、遅刻・早退・欠勤などをした分だけ減っているからです。
逆に遅刻・早退・欠勤などがないと、順調にボーナスアップすることを期待できます。
少しでも高くボーナスをもらいたいときは、皆勤をめざして働きましょう。
役職査定
一般企業では役職につくと基本給に役職手当がプラスされます。
看護師の場合も同じで役職につくと月給が上がり、ボーナス額も上がりやすくなります。
役職は30歳前後からつくことが多く、看護主任・看護師長・看護部長の順で上がっていきますが、経験年数が長く同じ職場で長期間働き続けた人ほど、役職につく可能性が高いでしょう。
規模の大きい病院の方がクリニックよりも在籍する看護師数は多く、病院長ひとりだけで管理しきれる人数ではないため病棟ごとにわけて看護師の管理職を複数置き、管理します。
・看護主任
施設に所属するスタッフナースの上位の管理職で、看護師長を補佐しながら病棟内の業務がスムーズに進むよう働きかけます。
看護師経験10年以上でつくことが多く、リーダーシップも必要です。
・看護師長
スタッフナースをまとめ、看護主任とともに業務をスムーズに行い、看護の質向上にもつとめます。
看護師長になるには看護主任の経験が必要で、看護師になってから15年以上の経験が欠かせません。
規模の小さい施設では、看護主任の役割がなく看護師長になる場合もあります。
・看護部長
病棟ごとの看護師長をはじめとする全看護師をまとめ、経営陣のひとりとして病院経営に参加する役職です。
看護師長として5~10年の経験が必要で、看護師として25年以上の経験も不可欠です。
基本的には50代からつきますが、規模の小さい病院では40代でつくこともあります。
看護師のボーナスが高い勤務先は?
勤務先も看護師のボーナス額に大きくかかわっており、働く施設の規模だけでなく施設がある都道府県も関係があります。
そのため今よりボーナスの高い職場を希望するときは、転職先の施設の規模や施設がある都道府県の賃金平均も調べてから決めましょう。
この章では、病院の規模による看護師のボーナス額の違いと都道府県による違いを紹介します。
病院の規模による看護師のボーナスの違い
看護師のボーナス額は、規模が大きい施設ほど高く、小さい施設ほど低い傾向にあります。
規模の大きい施設は来院する患者数が多く看護師の仕事も増えるため、基本給があがり、ボーナス額にも反映されるからです。
ボーナス額の安定性については、民間病院よりも国立病院機構の方が安定しており、昇給も毎年あるためボーナスも年々上がる傾向にあります。
ボーナス額は月給が影響するので、残業や深夜勤務などがあれば自然と上がることから、忙しさや勤務時間の長さは影響があります。
都道府県による看護師のボーナスの違い
基本給は東京都や大阪府など都市圏の方が高い傾向にありますが、ボーナスも同じとは限りません。
月給の額がボーナス額に影響しますが、全てそのとおりではないためです。
令和3年度では栃木県が看護師のボーナス額トップになり、2位は山口県でした。
月給額とボーナス額が確実に連動する場合、東京都など賃金の高いエリアが毎年上位になるはずです。
しかしボーナス額1位の都道府県は毎年変わるため、ここで働けば必ずボーナスが高いという地域ははっきりしていません。
したがってその年のボーナス額だけで、転職先エリアを決めることは避けた方が良いでしょう。
給与の高さを重視する場合は、月給に注目し業務内容と見合っているかを判断することをおすすめします。
看護師がボーナスをもらえる時期
看護師のボーナス支給は年2回の場合が多く、夏と冬に渡されます。
中には年3回もらえるところもあり、求人をよく見てボーナス支給回数をチェックしましょう。
年2回の場合は、6~7月の夏に1回目、12月の冬に2回目の支給で、冬の方が夏よりも高くなる傾向にあります。
厚生労働省の調査では、看護師のボーナスの平均支給額(1年分、夏冬の合計額)は85.5万円のため、1回あたり40万円程度ずつ支給されます。
ちなみに年3回ボーナス支給の施設は、夏と冬に加えて春にボーナスがもらえます。
ただしボーナスの支給は企業の義務ではないため、どの施設へ転職しても必ずあるとは限りません。
ボーナスアップを重視して転職先を探すときは、求人情報の賞与の項目を確認し、納得できる施設を見つけましょう。
転職によるボーナスアップ
看護師として働いているものの現在のボーナス額に満足していないときは、キャリアと勤務条件を照らし合わせ、待遇が見合っているか確かめましょう。
年収診断を受けて適正な年収を知り、その結果と大きな差がないかを見る方法もあります。
結果から今の待遇が給与やボーナスが低いとわかり納得できない場合は、具体的に転職に向けての準備をしましょう。
ボーナスアップだけでなく、その他の希望条件をあげて転職先を探します。
転職活動に有利になるキャリアアップの方法や看護師の勤務先などはこの下の項目で紹介しています。
キャリアアップ
現在のボーナス額に満足していないときは、すぐに辞めず今できることを考えましょう。
そのひとつが職場でのキャリアアップです。
看護師は売上によるインセンティブなどはありませんが、勤務年数が長くなるにつれて確実に給与額が上がります。
経験年数が上がると看護主任などの役職につく可能性が高まり、基本給のアップだけでなく役職手当もつくため、ボーナス額アップのチャンスがめぐってきます。
ボーナス額に不満があるものの働きやすい環境の職場であれば、キャリアアップをめざして引き続き勤務年数を重ねる方法があります。
家庭との両立が難しい、上司から聞いた給料では満足できない場合は、転職先を探してみましょう。
同じ職場で働き続ける場合も転職して別の職場に移る場合も、資格やスキルがあると有利です。
ひとつでも多く取得して、役職への就任や転職に備えましょう。
看護師のキャリアアップに役立つ資格は、
・専門看護師
・認定看護師
・認定看護管理者
などがあります。
それぞれの資格について簡単に説明するので、参考にしてください。
<専門看護師>
看護師として5年以上の経験があり、看護系大学院の課程を修了し、審査に合格すると取得できます。
がん看護、慢性疾患看護など13種類の専門分野があります。
<認定看護師>
看護師として5年以上の経験があり、日本看護協会が定めた600時間以上の認定看護教育を修了したあと審査に合格すると取得できます。
5年ごとの更新が必要で、救急看護など21の専門分野があります。
<認定看護管理者>
看護師免許取得後5年以上の経験があり、そのうち3年以上看護師長やそれ相当以上の経験がある人が、認定看護管理者教育課程を修了し審査に合格すると取得可能です。
認定看護管理者も5年ごとに更新があります。
職場の種類・勤務形態の変更
看護師が働く職場は病院やクリニックだけでなく、訪問看護や介護施設など多岐にわたります。
今よりも規模の大きい病院や受け入れ患者数の多い施設、夜勤が多い病院などに転職すると、月給とともにボーナスは上がります。
しかしボーナスアップとともに業務は忙しくなり、役職について大きな責任を負う場合もあるでしょう。
生活スタイルに合った無理のない条件の転職先を探しましょう。
まとめ
看護師のボーナス額は、経験年数や役職、勤務先施設の規模や立地により差があります。
同じ働き方でも役職につく、勤務地を変えるなどすると、給料やボーナスが上がることを期待できます。
今のボーナスが安いと感じたときは、年収診断を受けて待遇が適正かを判断しましょう。
あなたのスキルや資格、経験年数に対して待遇が悪いときは、転職を考えることもひとつの方法です。
看護師以外の仕事へ転職する道もありますが、これまで積み上げてきたキャリアやスキルをボーナスにつなげるには、再び看護師として働くことが有利です。
現在の職場で待遇に満足できないからといって、他の職場も同じとは限りません。
看護師向けの転職求人を働きながら情報収集し、納得できる転職先を探しましょう。
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