看護師の時短勤務のメリットとデメリット。短時間正職員って?

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はじめに

看護師はやりがいのある仕事です。

しかし、夜勤による体力的なデメリットや、人の命を預かる重圧もあるため、体調を崩す人も少なくありません。

また、育児や介護を理由に、今までの働き方ができない看護師もいるでしょう。

 

この記事では、そのような問題を抱える看護師向けに、時短勤務を解説しています。

時短勤務の概要から、メリット・デメリット、働くための方法を詳しく解説します。

パート勤務に比べて待遇を高め、安定した収入を求める看護師は、ぜひ時短勤務についての知識を深めてみてください。

 

看護師の時短勤務(短時間正社員制度)について

看護師の時短勤務とは、フルタイム正職員と比べて、1週間あたりの勤務時間が短い正職員のことです。

育児や介護などの理由で長時間働けない場合に、注目されている働き方です。

短時間正社員制度の概要や、どのような人が選ぶのか詳しく見ていきましょう。

 

看護師の時短勤務(短時間正社員制度)とは?

厚生労働省による看護師・介護士・保健師向けの資料「短時間正社員制度」導入・運用支援マニュアルには、「短時間正社員」という言葉が出てきます。

資料によると、短時間正社員制度とは、「フルタイム正職員と比べ、1週間の所定労働時間が短い正規型の職員のこと」だとあります。

 

正職員は、一般的にフルタイムで働く職員のことです。

しかし、正職員は必ずしもフルタイムである必要はなく、看護師の人手不足を解消する意味で、短時間正社員制度を導入する職場も増えてきています。

 

短時間正社員は、正職員の扱いのため、労働期間の定めはありません。

また、フルタイムの正職員と同等の給与・賞与・退職金等の算定方法となります。

看護師の短時間正社員の場合は、1日6時間、週30時間程度の勤務が一般的です。

 

看護師が時短勤務にする理由

看護師が時短勤務にする理由の多くは、家庭事情によるものです。

例えば、育児中の看護師や家族の介護がある場合に、短時間勤務を選ぶケースがあります。

 

育児中の看護師が時短勤務を選ぶ理由は、子どもの送り迎えがあるためです。

幼稚園や保育園に預ける年齢の子どもがいる場合は、親が迎えに行かなければなりません。

お迎え時間が夕方に設定されている施設が多いため、フルタイムの看護師では間に合わない理由から、時短勤務を希望することがあります。

 

また、介護が必要な家族がいる場合も、介護を依頼する施設との連絡を取り合うためや、事務手続きなどの理由から、時短勤務を選ぶ看護師もいます。

 

看護師の時短勤務とパートの違いは?

時短勤務とパートは、雇用形態が異なっています。

看護師の時短勤務は正規雇用であるのに対し、パートは非正規雇用です。

 

正規雇用とは、正社員の制度のことです。

看護師が正社員として働く場合は、社会保険や有給休暇などの福利厚生を受けられ、退職金や賞与も受けられます。

 

一方で、パート勤務の看護師の場合は、時給制度で働きます。

正規雇用で受けられる内容は、非正規雇用者では対象外となることがあるため、収入アップや待遇アップを希望する人にとって、パートの働き方は注意が必要です。

 

看護師の時短勤務の働く待遇は?

 

看護師が時短勤務を選ぶ場合、注目したいのは待遇面です。

時短勤務を選ぶ場合に、どのような待遇が得られるか詳しく解説します。

 

時短勤務の看護師の給料は?

看護師の時短勤務の場合、フルタイムの正職員と比べて勤務時間が短くなります。

時短勤務では勤務時間が短いため、施設や職種によっても異なりますが、短い分だけ給料も少なくなる仕組みが一般的です。

 

例えば、働く施設でフルタイム正職員の労働時間は、1日8時間×週5日で、週40時間と決められているとします。

一方で時短勤務は、1日6時間×週5日で、週30時間の場合です。

時短勤務はフルタイム正職員と比べて週10時間の勤務時間が短くなるため、その分の基本給が少なくなります。

 

ただし、時短勤務でも正規職員の扱いのため、昇給や手当などの制度はフルタイム正職員と同様に受けられます。

 

時短勤務の看護師のボーナスは?

時短勤務の看護師のボーナスは、施設や職種によっても異なりますが、給料と同様に短くなった勤務時間に応じて減額されるのが一般的です。

 

例えば、ボーナスの支給額を決めるのは、人事評価の結果だとします。

同じ人事評価であっても、基本給をベースにボーナスが決められるため、時短勤務の看護師はフルタイム正職員と比べてボーナス額が少なくなります。

 

ただし、時短勤務の看護師は、勤務時間が短い理由で人事評価が下がることはありません。

 

時短勤務の看護師の社会保険は?

時短勤務の看護師でも正社員としての扱いのため、社会保険に加入することができます。

そのため、健康保険、厚生年金、雇用保険に加入可能です。

 

時短勤務の看護師が雇用保険に加入する場合、失業した場合の給付を受けられます。

例えば、次に仕事を見つけるまでの失業保険の給付や、資格や技能習得のための職業訓練給付を受けることが可能です。

 

看護師の時短勤務のメリットは?

 

看護師が時短勤務を選ぶ場合、複数のメリットが得られます。

時短勤務では育児や介護などのプライベート時間を確保しながら、正社員としてのキャリア形成も可能なため、詳しく見ていきましょう。

 

ワークライフバランスの実現

看護師が時短勤務を選ぶ最大のメリットは、プライベートな時間が増えることです。

フルタイム勤務の看護師と比べて勤務時間が少ないため、その時間を利用して育児や介護に充てることができます。

 

特に、小さな子どもがいる看護師にとって、時短勤務の働き方は理想的です。

子どもが小さいと幼稚園や保育園の送り迎えをしなければならず、さらに家事の負担も増えるため、プライベートの時間が増える時短勤務は助けとなるでしょう。

 

正社員登用を通じたキャリア形成の実現

時短勤務の看護師でも、正社員であることに変わりはありません。

正社員と同等の待遇が得られるため、看護師のキャリアアップを目指すことができます。

 

例えば、資格や技能習得のための研修を受けられる場合があります。

勤務先によっては、資格取得の費用の一部を支援するところもあり、費用の心配をせずに資格取得を目指せるでしょう。

 

また、時短勤務の看護師でも、昇進を目指すことも可能です。

年齢を重ねている看護師は経験豊富なため、看護部長などの管理職に向いています。

しかし、年齢的に長時間勤務を避けたいときや、家族の介護で長時間勤務が難しい場合でも、時短勤務を選べばキャリアを諦める必要はありません。

 

正社員の待遇が受けられる

時短勤務の看護師は、正社員と同様の待遇が受けられます。

例えば、社会保険、有給休暇、昇給、ボーナスなどの待遇です。

 

そのため、時短勤務の看護師は、安定した収入が得られやすいでしょう。

プライベートの時間を確保しながら、収入面でも心配が少ない働き方をしたい場合は、時短勤務が最適です。

 

また、時短勤務の看護師は、有給休暇の取得も可能です。

家族と旅行をしたいときや、家族や本人の体調不良で休む場合でも、給料が減る心配がないメリットもあります。

 

看護師の時短勤務のデメリットは?

 

看護師の時短勤務はメリットがある一方で、デメリットも存在しています。

時短勤務を選ぶ前に、収入減少や同僚との関係性の問題を事前にチェックしましょう。

 

収入が減る

看護師が時短勤務を選ぶ最大のデメリットは、収入減少です。

フルタイムで働く場合と比べて基本給やボーナス額が減ってしまうため、家計を支える看護師は見逃せない問題でしょう。

 

特に注意が必要なのは、子どもを抱えている場合です。

子どもの養育費や生活費を稼ぐ必要がある場合は、フルタイム勤務のほうがいいかもしれません。

 

一方で、時短勤務でも影響が少ないのは、子どもが独立している場合です。

また、一人暮らしや夫婦二人世帯の場合も金銭的な負担を軽減しやすいため、状況に応じて時短勤務を選ぶか考慮すると良いでしょう。

 

後ろめたさを感じてしまう

時短勤務の看護師は、フルタイムの看護師より先に退勤します。

他のスタッフも早く退勤する事情を理解していますが、他のスタッフに追加の負担をかけることから、後ろめたさを感じる可能性があります。

 

特に気になる可能性があるのは、引継ぎが難しい患者さんがいる場合です。

自分がそのまま担当できれば、患者さんの心配が少なくなり、他のスタッフへの負担も軽くなりますが、時短勤務で上がる時間になればそうはいきません。

 

時短勤務の後ろめたさを軽減するには、スタッフ間のコミュニケーションが重要です。

また、引継ぎノートやデジタルツールを活用しながら、情報共有できる環境を整えましょう。

 

看護師が時短勤務で働くには?

家庭の事情などで時短勤務を選ぶ場合は、事前の対策が重要です。

現在の職場ルールの確認や、時短勤務が可能な職場への転職を考慮してみましょう。

 

今の職場の時短勤務のルールを確認する

現在の職場でも、時短勤務が可能な場合があります。

時短勤務を希望する場合は、まずは今の職場で可能なのか確認しましょう。

 

今の職場で時短勤務が可能な場合は、どのような条件で働けるのか詳細を確認します。

例えば、勤務時間はどうなのか、給料はどのくらい減るのか、福利厚生は今まで通り使えるのか確認しましょう。

 

自分の条件に合うようなら、今の職場で時短勤務を検討します。

 

時短勤務しやすい施設への転職も検討する

今の職場で時短勤務が難しいのであれば、他の施設への転職を検討しましょう。

近年では、ワークライフバランスを考慮した医療機関が増えているため、時短勤務を希望するなら転職が早道となる可能性があります。

 

今の職場で無理に時短勤務を進めると、後々トラブルに発展するかもしれません。

しかし、時短勤務が可能な求人に応募すれば、最初から短時間勤務の条件で入職できるため、トラブルは少なくできます。

 

転職エージェントの活用

時短勤務が可能な職場へ転職したいときは、転職エージェントの利用も検討しましょう。

 

転職エージェントは、看護師の求人情報を紹介してくれるサービスです。

時短勤務が可能な看護師の求人情報の紹介から、職場との条件交渉もしてくれます。

 

また、年齢に応じた転職や、キャリアアドバイスなどの相談も可能です。

転職全般のサポートを行ってくれるため、働きながら転職活動が難しいときや、職場の条件を指定して転職したいときに便利です。

 

地元の転職エージェントのアクタガワHRMは、静岡県で20年以上の実績があります。

看護師の時短勤務先の紹介や、各種アドバイス、職場の情報が豊富な転職エージェントなので、ぜひ利用を検討してみてください。

 

 

まとめ

 

時短勤務は、ワークライフバランスを重視する看護師にとって最適な働き方のひとつです。

育児や介護で長時間働けない場合や、子育てが一段落した年齢で、生活にゆとりのある働き方を目指す場合におすすめです。

 

しかし、時短勤務は収入が減るという問題もあります。

 

また、時短勤務に変更するためには、今の職場で働き方を変える方法や、転職を含めた様々な方法があるため、この記事を通して自分にとって最適な方法を見つけてみてください。

転職エージェントの活用も、検討してみると良いでしょう。

 

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