ふじのくに静岡看護師求人ナビでは、3月1日(土)から14日間にかけて「看護師のメンタルヘルス・ストレスへの対処法」についてのアンケートを実施させていただきました。
ご協力いただいた看護師の皆様、誠にありがとうございました。
こちらの記事では、皆様からの回答結果について報告させていただきます。
Contents
アンケート調査の背景と要旨
近年、医療現場の過酷な労働環境が問題視される中、看護師のメンタルヘルスの重要性が高まっています。
そこで、「仕事中、どのような時にストレスを感じるか」「職場にどのようなサポートがあったら良いか」などについて尋ねるアンケート調査を実施しました。
本調査では、看護師の方々がどのようなストレスを抱え、どのように対処しているのかを明らかにし、より働きやすい環境づくりの参考となることを目的としています。
■調査概要
調査期間 :2025年3月1日(土)~2025年3月14日(金)
調査方法 :インターネットによるアンケート調査
対象者 :ふじのくに静岡看護師求人ナビの会員登録者様
有効回答数:121件
看護師のストレス対処法は?アンケート結果
現在の勤務先の形態を教えてください。
勤務先形態 | 回答者数 | 割合 |
---|---|---|
介護施設(特養・老健・有料老人ホーム等) | 40名 | 33% |
クリニック・診療所 | 21名 | 17% |
総合病院 | 12名 | 10% |
訪問看護 | 6名 | 5% |
精神科病院 | 5名 | 4% |
その他(地域包括支援センター、行政機関、特別支援学校など) | 各1~2名 | – |
介護施設(特養・老健・有料老人ホーム等)で働く看護師が最も多く、40名と全体の約33%を占めました。
次いでクリニック・診療所が21名(17%)、総合病院が12名(10%)となっています。その他、訪問看護が6名(5%)、精神科病院が5名(4%)でした。それ以外の回答は各1~2名と少数で、地域包括支援センター、行政機関、特別支援学校など多様な職場が挙げられました。
現在の勤務状況について、当てはまるものを選んでください。
勤務状況 | 回答者数 | 割合 |
---|---|---|
日勤のみ | 42名 | 35% |
非常勤・パート勤務 | 37名 | 31% |
夜勤あり | 19名 | 16% |
単発(スポット勤務) | 14名 | 12% |
その他 | 9名 | – |
日々の看護業務において、ストレスを感じることはありますか?
頻度 | 回答者数 | 割合 |
---|---|---|
週に数回感じる | 52名 | 43% |
ほぼ毎日感じる | 40名 | 33% |
ほとんど感じない | 29名 | 24% |
ストレスを感じる頻度については、「週に数回感じる」が52名で最も多く、全体の約43%でした。次いで「ほぼ毎日感じる」が40名(33%)、「ほとんど感じない」が29名(24%)という結果です。
約4分の3の看護師が週に数回以上ストレスを感じていることになり、看護の仕事におけるストレスの蔓延ぶりが明らかです。
特に「ほぼ毎日感じる」という回答も3割を超えており、日常的に強いストレス下で働いている人も多い状況です。
一方、「ほとんど感じない」と答えた人は24%という結果でした。
ストレスの主な要因
ストレスの原因について複数回答で尋ねたところ、主な回答項目とその選択者数は以下の通りです。(回答者121名、複数選択合計のため百分率は回答者比)
ストレスの要因 | 回答者数 | 割合 |
---|---|---|
人間関係(上司・同僚・患者・家族など) | 87名 | 72% |
責任の重さ・医療ミスへの不安 | 50名 | 41% |
給与・待遇への不満 | 48名 | 40% |
精神的な負担(患者の死や重症ケースの対応など) | 25名 | 21% |
休みが取りにくい | 21名 | 17% |
長時間労働・シフトの不規則さ | 20名 | 17% |
その他(慢性的な人手不足、通勤負担、残業代未払いなど) | 14名 | 12% |
なし(ストレス要因は特にない) | 1名 | 1% |
看護師のストレス要因に関する調査結果を見てみると、人間関係が最大のストレス源であることがわかります。
約7割を超える看護師が「人間関係」を最大のストレス要因として挙げており、これには上司・同僚との関係や患者・家族への対応における難しさが含まれます。
職務上の不安と待遇への不満も大きな要因
約4割の回答者が「責任の重さ・医療ミスへの不安」を挙げています。同様に約4割が「給与・待遇への不満」をストレス要因としています。
その他、自由記述では「慢性的な人手不足による業務量増加」「通勤負担」「残業代未払い」などの構造的問題が挙げられました。
これらの結果から、看護師のメンタルヘルスには特に「人間関係」と「業務量と責任の大きさ」が大きく影響していることがわかります。
ストレスやメンタルの不調を感じた際に、どのような対策を取りますか?
(回答者121名、複数選択合計のため百分率は回答者比)
対策方法 | 回答者数 | 割合 |
---|---|---|
運動や趣味でリフレッシュする | 79名 | 65% |
家族や友人に相談する | 68名 | 56% |
上司・同僚に相談する | 35名 | 29% |
何もしない・我慢する | 29名 | 24% |
専門のカウンセリングを受ける | 3名 | 3% |
その他 | 8名 | 7% |
個人的なリフレッシュが最も一般的となっており、約65%(3分の2)の看護師が「運動や趣味でリフレッシュする」と回答がありました。
職場での相談は少なく、「上司・同僚に相談する」は29%(3割弱)にとどまり、職場外の人間関係に頼る傾向が強いことわかりました。仕事の悩みでも職場内では相談しにくい状況が伺えます。
我慢している看護師も多数
「何もしない・我慢する」と回答した人は24%(4人に1人)となっており、多くの看護師がストレスを抱えたまま適切な対処ができていない可能性も多数となっています。また、プロによるメンタルケアの利用率は非常に低い実態が明らかとなりました。
この結果から、多くの看護師が個人的な対処法に頼っており、特に職場内や専門的な支援を受ける割合が低いことが問題点として浮かび上がっています。
看護師のメンタルサポートについて、職場にどのような制度があればよいと思いますか?
自由記述の回答欄では、下記のようなご意見が寄せられました。
①相談しやすい場や窓口の設置
- 定期的な面談の機会(月1回など上司が部下の悩みを聞く面談)
- 現場を離れた第三者によるカウンセリング・相談窓口
- 電話やZoomなど気軽に相談できる窓口
②専門カウンセラーの配置・メンタル専門支援
- 職場へのカウンセラーや心理士の配置
- ストレスチェックと結果に応じた専門カウンセリング
③休暇・勤務体制の改善
- 有給休暇の充実
- 必要時にすぐ休養できる制度
- 十分な人員確保による業務負荷の軽減
④職場環境・文化の改革
- 定期的な人事異動制度(パワハラ防止)
- 組織全体の風土改革
- 上司の現場理解促進
- 勤怠報告時の困りごと記入欄の設置
まとめ
今回のアンケート結果から、多くの看護師が日々の業務で強いストレスを感じており、特に「人間関係」や「業務の忙しさ」が主な要因であることがわかりました。
また、ストレス対策としては「同僚や友人への相談」や「気分転換」が主流ですが、職場内でのメンタルサポートの充実が求められていることも明らかになりました。
今後、医療機関や介護施設においては、看護師のメンタルヘルスを支援する制度のさらなる充実が求められます。
当サイトでは、引き続き看護師の皆様の働きやすい環境づくりを支援するため、最新の情報を発信してまいります。
株式会社アクタガワHRM
■事業内容
医療・介護専門 労働者派遣事業
医療・介護専門 有料職業紹介事業
特定技能外国人紹介・登録支援業務
URL :アクタガワHRM | 静岡県の医療・介護・保育・特定技能外国人材サービス
監修者プロフィール
東海林 さおり(看護師) 株式会社アクタガワ 看護師スーパーバイザー

看護師資格修得後、病棟勤務・透析クリニック・精神科で『患者さん一人ひとりに寄り添う看護』の実践を心掛けてきた。また看護師長の経験を活かし現在はナーススーパーバイザーとして看護師からの相談や調整などの看護管理に取り組んでいる。